ヤングケアラー(家族にケアを要する人がいるために、家事や家族の世話などを行っている18歳未満の子供)とは最近日本でも少しづつ認知されてきた言葉である。(2020年現在)少子高齢化、両親共働きなどを背景に親・祖父母の介護などを任せれている子どもたちが潜在的にたくさんいるという。本書を通して明らかになる今置かれているヤングケアラーの実態と今後の社会の取り組みに迫る1冊となっている。
本の紹介
私はこの言葉を2020年12月に知った。
知ったきっかけはニュースで取り上げられた
「厚労省の若年介護調査の初めての全国調査が行われたこと」がきっかけであった。
子どもが介護している状況ってどういうことなのか。
本書を読むと
自分(ヤングケアラー)のことを学校の先生や友達、周囲の大人たちに話すことができず、それが回り回って自分がもうどうしようもない事態(学校を欠席する、体調不良など)になって
初めて発覚することがあるという。
ここで問題だと思ったのは
特別な介護であるとヤングケアラー本人が気づいていない場合がほとんどではないか
ということである。
親族の介護をすることをするのは仕方ない、恥ずかしいという気持ちもあるのだという。
そうなると、ヤングケアラー本人もそしてその周囲も理解がないことでより社会から孤立してしまう一方である。
なので、この事態が社会問題として周囲(特に学校の先生)に認知されることで多くのヤングケアラーが何らかのサポートを受け入れる体制が作られることを願っている。
家庭の事情で学校を辞めなければいけないことはとても悲しい。
再度、学校を退学した後復学できる制度を作ることやヤングケアラーをしていることによる対価(例えば学校の内申書の加点など)が受けるれる制度があればより本人にとっても救いなのではないか。
イギリスはヤングケアラーに政策にとても重きを置いている国であるという紹介があった。
ヤングケアラーの負担が軽減されるようなサポートシステムがあり、IDカードを見せるとサービスが受けられるようにもなっているという。
今回のこの厚労省の全国調査は
社会の分断、無関心がより人々が生活するのを難しくしている現代において少なからずの希望である。
私も自分のできることからでもこのような活動をサポートできるように心がけたいと強く思った。