こんにちは、パパでナースです。
今回は【意識下挿管】についてお話していきます。
この記事では、意識下挿管のメリットとデメリット、手順と注意点、適応症と禁忌症、患者への説明と同意プロセスについて詳しく解説します。
意識下挿管を検討している医療従事者の方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
意識下挿管とは？
意識下挿管とは、患者が意識がある状態で気管挿管を行う手技です。
これは、挿管困難が予想される患者や、全身麻酔のリスクが高い患者によく行われます。
意識下挿管でのメリット
誤嚥のリスクが低い
全身麻酔のリスクが低い
患者の協力が得やすい
意識下挿管におけるデメリット
患者のストレスや不安が大きくなることがある
挿管に時間がかかる場合がある
挿管が困難になる場合がある
意識下挿管は、患者の状態や手術内容などを考慮して、慎重に判断する必要があります。
意識下挿管の適応症例と除外症例
意識下挿管の適応症例
全身麻酔導入後、気管挿管とマスク換気の両方が困難と予測される場合
誤嚥の危険性が高い人で、挿管困難が予測される場合
全身麻酔の導入により循環虚脱を起こす可能性が高い場合
挿管後に神経学的評価が必要な場合
フェイスマスク換気が困難と予測される場合
意識下挿管の除外症例
小児を含む非協力患者
かかるストレスが病態を悪化させる可能性のある疾患（大動脈解離、脳動脈瘤破裂など）
意識下挿管の注意点
意識下挿管を行う際には、次の点に注意する必要があります。
・患者の協力を得るために、手技の説明と同意を得る
・局所麻酔と鎮静薬を使用して、患者の不安や痛みを軽減する
・気道を確保するための器具や薬剤を準備しておく
・患者の状態を観察し、異常があればすぐに対応できる体制を整える
意識下挿管は、挿管困難や全身麻酔のリスクがある患者に対して行われる手技です。適応症と除外症をよく理解し、注意点に留意して行う必要があります。
意識下挿管における気道確保方法
意識下挿管では、経口挿管と経鼻挿管のいずれかの方法で気道を確保します。
経口挿管は一般的に行われる方法ですが、口腔内腫瘍や開口困難症例では経鼻挿管が適応となります。
どちらの方法でも、気道確保を行う前に、気道粘膜の局所麻酔を行うことが重要です。
局所麻酔により、患者のストレスや咳反射を軽減することができます。
経鼻挿管を行う場合は、鼻腔の炎症や手術既往歴がないかどうかを確認する必要があります。
また、鼻腔をトラマゾリンやナファゾリンで収縮させて、挿管を容易にすることができます。
気道確保方法の選択は、患者の状態や手技を行う医師の経験によって異なります。
意識下挿管における気道確保方法の重要ポイント
・気道確保の前に、気道粘膜の局所麻酔を行う
・経鼻挿管を行う場合は、鼻腔の炎症や手術既往歴がないかどうかを確認する
・鼻腔を収縮させて、挿管を容易にする
・意識下挿管における鎮静薬の使用
・意識下挿管では、鎮静薬を使用して患者のストレスや不安を軽減することがあります。
・鎮静薬は、気道確保の際に起こる痛みや不安を軽減し、患者の協力を得やすくすることができます。
鎮静薬の使用上のメリット
・患者のストレスや不安を軽減する
・気道確保の際に起こる痛みを軽減する
・患者の協力を得やすくする
鎮静薬の使用上のデメリット
・上気道開存や自発呼吸を維持できなくなる可能性がある
・呼吸抑制や循環抑制を引き起こす可能性がある
・鎮静薬を使用する場合は、メリットとデメリットをよく理解し、慎重に使用する必要があります。
意識下挿管における鎮静薬の使用の重要ポイント
・メリットとデメリットをよく理解する
・慎重に使用し、患者の状態を観察する
・呼吸抑制や循環抑制が生じた場合は、適切な処置を行う
意識下挿管：安全に行うためのヒント
意識下挿管は、患者が意識がある状態で気管チューブを挿入する手技です。
全身麻酔下で行う挿管よりも侵襲が少ないため、一部の患者には適した選択肢です。
しかし、意識下挿管にはリスクがないわけではありません。
気道確保が困難になり、生命を脅かす低酸素血症につながる可能性があります。
そのため、意識下挿管を検討している場合は、リスクとメリットを慎重に検討し、手技を行う前に万全の準備をすることが重要です。
重要なポイント
・意識下挿管は、患者が意識がある状態で気管チューブを挿入する手技です。
・全身麻酔下で行う挿管よりも侵襲が少ないため、一部の患者には適した選択肢です。
・意識下挿管には、気道確保が困難になり、生命を脅かす低酸素血症につながるリスクがあります。
・意識下挿管を安全に行うためには、患者の病歴と身体検査を注意深く行い、適切な機器と薬剤を用意し、挿管の経験豊富な医師による手技を行い、挿管試行中に気道開存が失われた場合に備え、外科的気道確保器具を準備することが重要です。
おわりに
いかかでしたでしょうか。
この記事では、意識下挿管のメリットとデメリット、手順と注意点、適応症と禁忌症、患者への説明と同意プロセスについて詳しく解説しました。
意識下挿管を検討している医療従事者の方は、ぜひ参考にしてください。
意識下挿管は、生命を救うことができる重要な手技です。
しかし、危険な手技でもあるため、慎重に行う必要があります。
この記事を参考に、患者にとって安全で効果的な意識下挿管を実施してください。
引用文献
周術期管理チームテキスト第4版
