それは
ERAS(イーラス)です。
正式名称は
Enhanced Recovery After Surgery:術後回復の強化
「周術期管理チーム」のゴールは手術を安全に行い、できるかぎり短時間で社会復帰することにあります。
ERASとは
そもそもERASは
欧州の外科医によって提唱された周術期管理法で、
周術期(術前・術中・術後)を通して患者に介入することにより
患者の早期回復を促進する役割を期待されています。
ERASですることってなに?
ERASの構成要素としては
術前からはじまり術中、術後とそれぞれに項目があるんです。
以下はあくまで消化器外科の共通の一例です。
術前
・術前教育と内科的な術前コントロール
・術前絶飲食ガイドラインと炭水化物負荷
・腸管の機械的前処置の排除
・血栓塞栓症と感染の予防
術中
・多角的な非オピオイド鎮痛薬と制吐薬
・区域麻酔
・正常体温と正常循環血漿量
・ドレーン/尿道カテーテル/経鼻胃管の留置最小限化と早期抜去
術後
・早期離床
・早期栄養療法
・多角的な非オピオイド
各施設によってこのERASで提唱されているいくつかの項目を当施設にうまく活用していく流れとなっています。
こんな施設もあります
一例として岡山大学病院周術期管理センター(PERiO)はERASの要素を活用されている施設でほんとにすごい!!
ERASの要素に加え、当院では歯科医も取り組み実践しているのだそうです。
構成するメンバーとしては
外科医、麻酔科医、看護師、薬剤師、歯科医(歯科衛生士、歯科技工士)、理学療法士、管理栄養士、臨床工学技士と多くの多職種が関わっています。
おわりに
大きな意味で患者が手術を受ける
と決まった瞬間からすで周術期管理は始まります。
多くの多職種を交えよりよい術前の介入をすることにより
患者の早期社会復帰や病院経営の向上が求められていっているんですね。
うちの病院でもしてほしいな、超大事!!
参考
【消化器外科 2022-09 (ここまで進んだERAS)】
【周術期管理チームテキスト】