Welocome to
Operating Room
記事

禁煙支援が手術成功のカギ!知っておくべき事

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

こんにちは、パパでナースです。

今回は【周術期の禁煙効果】についてお話していきます。

術前禁煙がどれほど重要かご存知ですか?

禁煙は手術成功率を高めるだけでなく、術後の回復も早まります。

禁煙支援を受けることで、禁煙率が有意に向上し、術後の再喫煙率も低下します。

AAR戦略を利用すれば、禁煙へのアプローチが容易になります。

また、禁煙補助薬は、術前・術後の安全性が確認されており、効果的に禁煙をサポートします。

この記事では、術前禁煙の重要性や禁煙支援の方法、補助薬の利用について詳しく解説します。

喫煙が手術患者に与える影響について

喫煙が手術患者に与える影響について、以下のポイントが挙げられます。

喫煙が生体に与える影響:

一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、ニコチン、タールなどが含まれる。

COは酸素の運搬能力を低下させ、酸素利用を難しくする。

NOは慢性曝露で結合織破壊を促進し、血管拡張能力を抑制する。

ニコチンは心筋の酸素消費量を増加させ、気道の分泌を増加させる。

タールは気管を収縮させ、気道の線毛運動を抑制する。

術中・術後合併症への影響:

喫煙者は術中に喀痰量が多い。

喫煙者は禁煙者や非喫煙者に比べ、呼吸器系、循環器系、創関連、感染などの合併症が多く、死亡率が高い。

喫煙者は整形外科手術で偽関節や骨癒合障害が多い。

股関節・膝関節手術では創感染、肺炎、脳卒中、術後1年死亡率が悪化する。

開頭腫瘍切除術では喫煙者で術後の合併症が多く、1年生存率が低い。

非心臓手術では喫煙者で術後肺合併症が多い。

受動喫煙も能動喫煙と同様に有害であり、周術期のリスクとなる。

要するに、喫煙は手術患者に悪影響を及ぼし、術後の合併症を増加させる可能性があるため、喫煙の習慣を見直すことが重要です。

手術患者における禁煙の効果と影響について

術前禁煙は、呼吸器や循環器合併症の発生率を減少させ、創傷の治癒を改善する効果があります。

禁煙期間が長いほど効果が高まりますが、短期間の禁煙でも合併症の発生率は増加しないことが報告されています。

したがって、術前の禁煙期間は長いほど良いですが、短い期間でも効果があるため、いつから始めてもよいとされています。

また、禁煙期間を延長するために手術を遅らせる必要はありません。

麻酔科医は、患者だけでなく外科医にも働きかけ、禁煙指導の普及に努める必要があります。

周術期禁煙ガイドラインにおけるステートメント

以下の10項目が周術期禁煙ガイドラインとして提唱されていることです。

1,喫煙で周術期合併症は増加し,術後の回復が遅延する

2,術前患者には喫煙の有無を確認し,喫煙者には禁煙の意義と目的を理解させ,禁煙を促す

3,手術前のいつの時点からでも禁煙を開始することは意義がある

4,手術直前の禁煙でも周術期合併症の増加はみられない

5,可能な限り長期の術前禁煙は、周術期合併症をより減少させる

6,受動喫煙も能動喫煙と同様に手術患者に悪影響を及ぼす

7,敷地内禁煙などの無煙環境の確立は重要である

8,禁煙指導は術前禁煙を促進し、術後の再喫煙率を低下させる

9,周術期禁煙を契機とし、生涯の禁煙を目標にする

10,周術期医療チームや外科系医師、禁煙外来など他科や他職種と協同して周術期禁煙を推進する
〔日本麻酔科学会制定『周術期禁煙ガイドライン』より抜粋〕

周術期禁煙支援ついて

周術期禁煙支援の効果:

術前の禁煙介入で、禁煙率が有意に上昇する。

より効果的な禁煙支援はカウンセリングと禁煙補助薬を併用する方法。

禁煙支援の方法:

5A戦略(Ask, Advise, Assess, Assist, Arrange)が標準的だが、一般臨床医には実践しにくい。

簡易戦略のAAR(Ask, Advise, Refer)が現実的で、麻酔科医の役割が大きい。

禁煙補助薬:

ニコチン置換療法(NRT)とバレニクリンが認可されている。

周術期の使用において、重篤な副作用はほとんどなく、安全に使用できるが、虚血性心疾患患者では手術当日のNRT使用を避けるべき。

要するに、周術期の禁煙支援は効果的で、カウンセリングと禁煙補助薬の併用が最も効果的です。

Q&A

質問1: 周術期禁煙支援の効果は何ですか?

回答1: 術前の禁煙支援により、禁煙率が有意に上昇します。

特にカウンセリングと禁煙補助薬を併用した禁煙支援が最も効果的です。

質問2: 実際的な禁煙支援の方法は何ですか?

回答2: 簡易戦略のAAR(Ask, Advise, Refer)が実際的です。

これは、喫煙の有無を尋ね(Ask)、喫煙者に禁煙を促す助言を行う(Advise)、そして禁煙指導の専門家に紹介する(Refer)という方法です。

質問3: 周術期に使用できる禁煙補助薬は何ですか?また、その安全性はどうですか?

回答3: ニコチン置換療法(NRT)とバレニクリンが認可されています。

周術期の使用において、重篤な副作用はほとんどなく、安全に使用できます。

ただし、虚血性心疾患患者では手術当日のNRT使用は避けるべきです。

まとめ

術前禁煙支援は、禁煙率を向上させ、手術のリスクを低減します。

AAR戦略(喫煙の有無を尋ねる、禁煙を勧める、専門家に紹介する)が実践的で効果的です。

ニコチン置換療法(NRT)やバレニクリンが周術期に安全に使用できる禁煙補助薬です。

重要ポイント:

カウンセリングと禁煙補助薬が効果的
AAR戦略を実践
NRTとバレニクリンの安全性

おわりに

いかがでしたでしょうか。

術前禁煙は、手術成功率の向上や術後の回復を促す重要な要素です。

AAR戦略を用いて禁煙支援を受けることで、禁煙への取り組みがより容易になります。

また、禁煙補助薬は安全性が確認されており、効果的に禁煙をサポートします。

手術を受ける患者は、術前禁煙の重要性を理解し、医療チームと協力して禁煙に取り組むことが大切です。

この記事を通じて、術前禁煙がどれほど重要であるかを再認識し、術後の回復を促すための一歩を踏み出してください。

参考文献

周術期管理チームテキスト第4版

周術期禁煙ガイドライン 日本麻酔科学会

ABOUT ME
パパdeナース@オペ室
2013年入職よりずっとオペ室で看護師してます。メンズナースです。男の子の親でもあります。主に仕事や育児についての読書ブログ書いてます。
こちらの記事もおすすめ!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です