こんにちは、パパでナースです。
今回は【術中大量出血症例の術後管理】についてお話していきます。
術中の大量出血症例の術後管理は、周術期管理チームメンバーにとって重要な課題です。
大量出血は、患者の生命予後を悪化させる恐れがあるため、早期に止血し、全身状態を安定させることが重要です。
Contents
大量出血症例の術後管理についての重要項目
・低体温、凝固障害、代謝性アシドーシスなどの「外傷死の三徴」の補正
・必要最小限の止血処置のみを行い、できるだけ短時間で手術を終える
・術後はICUで全身状態を安定化させたのち、再手術を行う
ダメージコントロール手術とは?
大量出血症例の術後管理において、出血部位や損傷臓器に対して必要最小限の止血処置のみを行い、できるだけ短時間で手術を終えるという戦略です。
この戦略は、患者の生命予後を改善することが報告されています。
大量出血症例の術後管理は、周術期管理チームメンバーにとって難しい課題です。
しかし、ダメージコントロール手術などの戦略を理解し、適切に管理することで、患者の生命予後を改善することができます。
重要な部分
・大量出血は、患者の生命予後を悪化させる恐れがあるため、早期に止血し、全身状態を安定させることが重要です。
・大量出血症例の術後管理では、「外傷死の三徴」の補正、必要最小限の止血処置、ICUでの全身状態の安定化、再手術を行うことが重要です。
・ダメージコントロール手術とは、大量出血症例の術後管理において、出血部位や損傷臓器に対して必要最小限の止血処置のみを行い、できるだけ短時間で手術を終えるという戦略です。
ダメージコントロール手術を考慮すべき状況や条件
低体温:深部体温 34℃以下
代謝性アシドーシス:pH 7.2以下、BE -15mM以下、乳酸値 5mM以上
凝固障害:皮膚切開創の止血困難(開腹創断面に血液凝固塊を認めない)、PT、APTTが正常値の50%以上延長
再手術に向けた術後管理の目標
体温:深部体温 36℃以上
止血凝固能:PT、APTTの延長が正常値の25%未満、血小板 5万個/μL以上
循環の安定と代謝性アシドーシスの補正:pH 7.3以上、BE -5mM以下
おわりに
いかかでしたでしょうか。
大量出血症例に出くわすことはそうそうありません。
しかし、もしおきてしまったときに即時対応できるかができるオペナースの役割です。
他のスタッフとも知識の共有をすることでいざというときの備えになることでしょう。
これからも一緒によいオペ室を運営していきましょう。
引用文献
周術期管理チームテキスト第4版