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手術体位と神経障害:リスクを最小限に抑える

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こんにちは、パパでナースです。

今回は【手術体位と末梢神経麻痺】についてお話します。

手術体位が末梢神経障害と密接な関係があることは、オペナースにとって重要な課題です。

体位の工夫によって、患者の神経障害リスクを大幅に減らすことが可能です。

本記事では、尺骨神経麻痺や腕神経叢障害などの周術期末梢神経障害に焦点を当て、その原因や予防策について詳しく解説します。

手術体位と末梢神経障害の概要

末梢神経障害とは何か?

末梢神経障害は、末梢神経が損傷または圧迫されることによって引き起こされる機能障害です。

末梢神経は、脳や脊髄から出て、体の他の部位に伸びる神経です。

これらの神経が損傷されると、感覚や運動機能に影響が出ることがあります。

手術体位と末梢神経障害の関係

手術体位が不適切であると、末梢神経が圧迫されることがあり、末梢神経障害のリスクが高まります。

手術中、特定の体位で長時間過ごすことが、神経に圧迫力を加えることがあります。

例えば、肘や手首の神経が圧迫されると、手の感覚異常や運動機能障害が生じることがあります。

主要な末梢神経麻痺について

尺骨神経麻痺

尺骨神経麻痺は、周術期末梢神経障害の中で最も頻繁に発生し、そのうちの21%を占めています。(全体の発生率は0.03%)

症状としては、小指・環指の感覚障害や屈曲障害、指の内転・外転障害があります。

尺骨神経は、肘部管という部位で圧迫されることが多く、特に男性に多いです。

手術中は上肢を体に添えておくことが望ましいです。

上肢を外転させる場合は、前腕を固定し、肘が手術台に当たらないように注意することが推奨されています。

特に腹臥位で手術部位が腰部よりも下の場合、腕を広げて前腕を前方に置くことが多いため、肘の過度な屈曲に注意が必要です。

回復が見られない場合は、神経移行術が必要になることもあります。

【要約】

尺骨神経麻痺は周術期末梢神経障害の中で最も一般的で、主に肘部管で圧迫されることが原因です。

手術中の上肢の管理が重要であり、適切なケアが行われない場合は神経移行術が必要になることがあります。

腕神経叢麻痺

腕神経叢麻痺は、周術期末梢神経障害の20%を占め、上肢の運動障害や感覚障害が主な症状です。

腕神経叢は傷害を受けやすく、手術中に頸部が側屈した状態や、側臥位で腕が前方に固定されたりする場合に麻痺が起こりやすいです。

腕神経叢の傷害を避けるためには、上肢を体幹に添え、外転させる場合には90°以下、できれば60°以下にすることが望ましいです。

手術中の仰臥位や砕石位で、上肢の外転や頭側への持ち上げが原因で腕神経叢麻痺が発生することが報告されています。

また、腎摘位では頸部の過度な側屈を避けるため、大きめの枕を使用して頸椎が脊柱の延長上に並ぶようにすることが推奨されています。

側臥位時に使用される腋突枕の不適切な使用によっても、腋窩神経麻痺が発生することが知られています。

【要約】

腕神経叢麻痺は周術期末梢神経障害の一部で、手術中の体位管理が重要です。

上肢を体幹に添え、適切な角度で外転させることや、頸部の過度な側屈を避けるなど、患者の安全と快適さを確保するために注意が必要です。

撓骨神経麻痺

橈骨神経麻痺は、周術期末梢神経障害の4%を占め、主な症状は手関節の背屈障害です。

感覚障害はほとんどないか、ごく軽度です。

これは、上腕の撓背神経溝が圧迫されることで発生します。

仰臥位や砕石位で手術中、腕が手術台から落ちたり、長時間にわたって被架や手術台に当たることで生じることがあります。

自動血圧計のマンシェットでも発生することがあるとされています。

回復には数か月を要することがありますが、時間の経過とともに症状が軽快し、予後は良好です。後遺症の残存は稀であるとされています。

総腓骨神経麻痺

総腓骨神経麻痺の主な臨床症状は、「下足(drop foot)」、つまり足関節と足指の背屈ができなくなること、および下腿の外側から足背にかけての感覚障害です。

これは、腓骨頭部で総腓骨神経が圧迫されることで発症します。

仰臥位では下肢が外旋位になることで起こります。そのため、下肢を中立位からやや内旋させ、膝関節の外側をパッドやクッションで保護し、膝関節を軽度屈曲させることが大切です。

また、手術中に適切な肢位が保持されているかを定期的に確認することが重要です。

側臥位では、手術台やシーツのしわが下側の腓骨頭を圧迫する可能性があります。

砕石位では、支脚台が膝の外側に当たると、腓骨頭と台の間に神経が挟まれ、麻痺が起こります。

腓骨神経麻痺の回復は必ずしも良くなく、予後は不良の場合があるとされています。

体位による生体への影響

仰臥位

側臥位

腹臥位

まとめ

周術期末梢神経障害は手術体位により発症することがあり、適切な肢位やクッション使用が重要です。回復は必ずしも良くない場合もあるため、注意が必要です。

適切な肢位の維持

クッションやパッドの使用

手術中の定期的な確認

予後が不良の場合もあることを認識

Q&A

Q1: 末梢神経障害とは何ですか?

A1: 末梢神経障害は、末梢神経が損傷または機能不全を起こすことで、感覚異常、運動障害、痛みなどの症状が現れる状態です。

手術体位により発症することがあります。

Q2: 手術体位と末梢神経障害の関係は何ですか?

A2: 手術体位は、患者の安全を確保し、手術が円滑に進むために重要です。

しかし、不適切な体位や手術中の圧迫が末梢神経障害の原因となることがあります。

適切な肢位の維持やクッションの使用が予防策として重要です。

Q3: 末梢神経障害が発生した場合の予後はどのようなものですか?

A3: 末梢神経障害の予後は、損傷の程度や原因によって異なります。

一部の場合では回復が必ずしも良くないこともあります。適切な治療やリハビリテーションが重要であり、早期発見と対処が望ましいです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

オペナースの皆さんが、今回の記事を通して周術期末梢神経障害のリスク軽減についての知識を深めることができたことを願っています。

患者さんに安全で安心な手術を提供するために、体位の工夫や注意点を常に心に留めておくことが大切です。

今後も専門知識を磨くだけでなく、日々の実践の中で気づいた点やアイデアを共有し合うことで、より質の高い医療を提供し続ける力となります。

オペナースの皆さんの献身的な働きが、患者さんの健康と安全に繋がることを信じています。

引用文献

ナーシング・プロフェッション・シリーズ 手術看護 第2版 術前術後をつなげる術中看護

周術期管理チームテキスト第4版

ABOUT ME
パパdeナース@オペ室
2013年入職よりずっとオペ室で看護師してます。メンズナースです。男の子の親でもあります。主に仕事や育児についての読書ブログ書いてます。
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