こんにちは、パパでナースです。
今回は【対極板】についてお話していきます。
電気メスを使用した手術は、医療現場において一般的であり、高い効果が期待される治療法です。
しかし、その効果を最大限に引き出すためには、対極板の適切な使用が重要です。
対極板は電気メスの高周波電流を安全に回収し、患者や医療スタッフの安全性を確保する役割を果たします。
本記事では、対極板の正しい選び方や貼り方、避けるべき部位について詳しく解説し、手術の成功と患者の安全を守るための知識を提供します。
Contents
結論
対極板は、電気メスの出力を安全に回収するために使用され、発熱は出力と面積に関連します。
患者の体の大きさとは関係なく、対極板の適切なサイズと最大出力を考慮することが重要です。
装着に注意が必要な部位や、対極板の向きも熱傷事故を避けるために考慮すべきです。
重要なポイント:
対極板の発熱は電気メス出力と面積に関係
患者の体の大きさとは無関係
適切な最大使用出力を確認
装着NG部位に注意
対極板の向きを適切に設定
対極板とはなにか
対極板(別名:中立電極)は、電気メスを使用する際に患者の体に貼り付けられる電極の一種です。
電気メスは、高周波電流を通すことで組織を切断・止血する医療機器です。
対極板は、電気メスから出力された高周波電流を患者の体から安全に回収する役割を担っています。
電気メスの出力と対極板の面積に関係して発熱が起こります。
対極板の面積が適切でない場合、局所的な発熱によって患者の皮膚に熱傷を引き起こす可能性があります。
そのため、電気メスの出力や患者の体の大きさに応じて適切なサイズの対極板を選ぶことが重要です。
対極板の適切な使用と選択は、電気メスを用いた手術の安全性を高め、患者さんへのリスクを低減するために必要です。
対極板を貼るのを避ける部位について
対極板を貼るのを避けた方が良い部位は以下の通りです:
骨が出ている部位(膝、肘、腰骨、肩甲骨周辺など)
瘢痕(傷)がある部位
毛深い部位
皮膚面に異常がある場合(損傷、病変など)
患者の下敷きになる部位や圧迫を受ける部位
液体や体液等が貯留する可能性がある部位
体内に金属製インプラントがある場合、その付近
対極板のサイズについて
対極板のサイズは、電気メスの出力や使用目的に応じて選ぶことが重要です。
対極板の発熱は、電気メスの出力と対極板の面積に関係しています。
電気メスの出力が大きいほど、対極板の面積も大きくなければなりません。
対極板には、大人用や小児用といった異なるサイズがあります。
小児用の対極板は、小児のような小さな患者さんに貼れる小さいサイズの対極板ですが、それだけで高出力の電気メスを使用してよいというわけではありません。
各サイズの対極板には最大使用出力が決まっているため、その出力以下で電気メスを使用しなければなりません。
適切なサイズの対極板を使用することで、発熱による熱傷事故を防ぎ、患者さんの安全を確保することができます。
対極板のサイズ選びは、電気メスの出力、患者さんの体の大きさ、そして適切な最大使用出力を考慮して行うことが重要です。
対極板の必要性について
対極板を貼らないと、電気メスから出力された高周波電流が患者の体から適切に回収されず、いくつかのリスクが高まります。
局所的な熱傷:適切に回収されない電流により、局所的な発熱が生じ、患者の皮膚や組織に熱傷を引き起こす可能性があります。
電気ショック:電気メスが作動した際に患者や周囲の医療スタッフが感電する危険が増加します。
電気メスの効果の低下:対極板がない場合、電流の回路が完全には形成されず、電気メスの切断・止血効果が低下することがあります。
医療機器への影響:電流の回収が不十分な場合、電気メスから出力された電流が他の医療機器に影響を与える可能性があります。
対極板は、電気メスを安全かつ効果的に使用するために重要な役割を果たしています。そのため、電気メスを使用する際には、適切なサイズの対極板を正しい位置に貼ることが不可欠です。
Q&A
Q1: 対極板の主な役割は何ですか?
A1: 対極板の主な役割は、電気メスから出力された高周波電流を患者の体から安全に回収することです。
これにより、電気メスの切断・止血効果を適切に発揮できるだけでなく、患者や医療スタッフへのリスクを低減します。
Q2: 対極板を貼るべきでない部位はどこですか?
A2: 対極板を貼るべきでない部位には、骨が出ている部位(膝、肘、腰骨、肩甲骨周辺など)、瘢痕がある部位、毛深い部位、皮膚に異常がある場合(損傷、病変など)、患者の下敷きになる部位や圧迫を受ける部位、液体や体液が貯留する可能性がある部位、体内に金属製インプラントがある場合のその付近などが含まれます。
Q3: 対極板のサイズ選びの際に考慮すべき点は何ですか?
A3: 対極板のサイズ選びでは、電気メスの出力、患者の体の大きさ、および対極板の最大使用出力を考慮することが重要です。
電気メスの出力が大きいほど、対極板の面積も大きくなければなりません。また、患者の体の大きさに応じて、大人用や小児用などの適切なサイズの対極板を選ぶことが求められます。
これにより、発熱による熱傷事故を防ぎ、患者さんの安全を確保することができます。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
本記事を通じて、対極板の正しい選び方や貼り方、避けるべき部位についての知識を深めることができたことでしょう。
対極板は電気メスを安全かつ効果的に使用するための重要な要素であり、患者さんと医療スタッフの安全を確保するために欠かせません。
これからも医療現場で電気メスを使用する際には、対極板の適切な選択や取り扱いを心掛け、患者さんの安全と手術の成功を最優先にすることが求められます。
今回学んだ知識を活かし、医療現場での電気メスの効果を最大限に引き出し、安全で質の高い治療を実践していきましょう。
参考文献
周術期管理チームテキスト第4版