こんにちは、パパでナースです。
今回は【電気メスの使い方】についてお話していきます。
電気メスは手術室で不可欠なツールとなっていますが、その驚くべき働きを理解していますか?
手術の効果や安全性に大きく影響するモノポーラとバイポーラという二つの異なるタイプがあります。
この記事では、それぞれの特徴や適切な使い分けについて解説します。
Contents
電気メスとは
電気メスは、高周波電流をメス先に流して生体組織を切開や凝固させる医療器具です。
出力は切開時に200~300W、凝固時に80~120Wで、モノポーラーとバイポーラーの2つの出力方式があります。
さまざまな形状の電極があり、腹腔鏡手術や消化器内視鏡で使用されます。
電気メスには安全機能が搭載されており、対極板モニターで接触を監視したり、温度上昇防止機能や連続出力防止機能、組織インピーダンス検知機能などがあります。
また、切開と凝固時に異なる出力音を発し、誤操作を防止する設計になっています。
電気メスの使用後は、取扱説明書や添付文書に従って廃棄や洗浄を行います。
注意点として、患者と金属部分の接触を確認し、使用直後のメス先電極が過熱していることに注意し、熱傷事故を防止する必要があります。
また、電極コードや対極板コードをコイル状にまとめて使用することは禁止されています。
モノポーラとは
電気メスは高周波電流を使って組織を切開・凝固させる医療器具です。
モノポーラ式では、メス先から電流を流し、対極板で回収します。
対極板は別の部位に貼られ、高周波電流が体内を流れることで感電が防がれます。
広く使われており、電気メスと言えばモノポーラが一般的です。
高周波電流を利用
モノポーラ式電気メス
メス先から電流を流し、対極板で回収
感電リスクの軽減
バイポーラとは
バイポーラ電気メスは、2本のメス先を持ち、セッシ状の形状です。
一方の電極から電流を流し、もう一方で回収します。
近くにある電極同士で電流が少なく、余分な電流が生体に流れないため、対極板は不要です。
凝固には向いていますが、切開には適していないことがあります。
2本のメス先(アクティブ電極)
セッシ状の形状
電流の流れと回収が近接
余分な電流が生体に流れない
対極板不要
凝固に適し、切開には向かない場合がある
Q&A
Q1: 電気メスのモノポーラ式とバイポーラ式の違いは何ですか?
A1: モノポーラ式電気メスは、1本のメス先から高周波電流を流し、対極板で回収します。
バイポーラ式電気メスは、2本のメス先を持ち、一方の電極から電流を流し、もう一方で回収します。モノポーラ式は広範囲で使われており、対極板が必要です。
バイポーラ式は、電極同士が近く、余分な電流が生体に流れないため、対極板は不要です。
Q2: バイポーラ式電気メスは、どのような手術に向いていますか?
A2: バイポーラ式電気メスは、電流の流れと回収が近接しているため、余分な電流が生体に流れない特性があります。
これにより、組織の凝固には適していますが、切開には向いていない場合があります。
Q3: 電気メスの使用時に注意すべきポイントは何ですか?
A3: 電気メス使用時の注意点は、患者と金属部分の接触を確認し、過熱したメス先電極に触れないよう注意することです。
また、電極コードや対極板コードをコイル状にまとめて使用することは禁止されています。
おわりに
電気メスのモノポーラとバイポーラの違いを理解することで、手術の効果や安全性が一段と向上します。
最新の電気メス技術を活用し、適切な使い分けを行うことで、手術がより確実で効率的に進められます。
これらの知識は、患者さんだけでなく、医療従事者にも役立ちます。
最適な切開と凝固のバランスを追求し、現代医療の進歩に貢献していくことが重要です。
電気メスの世界に触れ、手術体験がより良いものになることを願っています。
参考文献
周術期管理チームテキスト第4版
電気メスってなんで切れるの?止血できるの? ~電気と熱の科学編~【MERA株式会社 HPより】https://www.mera.co.jp/column/7564/