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書評013冊『感情と看護』 武井麻子(2001) 

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感情なくして看護は語れません。その中でも人間対人間の仕事の中で生まれる感情は決してポジティブなものだけではないのです。看護師はどうしても患者にとって良い看護師を演じようと負の感情を抑えようとする傾向にあります。それに加え看護師対家族そして対医師など職場を取巻く感情をどう理解し解決していけばよいかを解剖する一冊となっています。

こんな人に読んでほしい

・患者さんの無理難題な要求に”No”と言うのが苦手な人

・職場の人間関係に対しうんざりしている人

・バーンアウトってどうやって起きちゃうのかを知りたい人

本の紹介文 

どーも、パパdeナースです。

最近の息子(210ヶ月)なんですが、

結構自己主張が強くなってきましたね。

とくに、おともだちとのおもちゃの奪い合いは見ているこっちがひやひやです。

相手が最初から遊んでいるおもちゃは取らないんですが

逆に自分が遊んでいるおもちゃを横取りされそうになったのがわかるや否や

鉄壁のディフェンスをして相手におもちゃを触らせようとしません!

相手のおともだちもそれで興味が他にそれればいいのですが、

どうしても奪いたいと攻めてきたときには小競り合いが勃発!!

そのおともだちのママ(もしくはパパ)にも視線を送って(ヘルプお願いしますっ的な)

大ごとになる前に回避!!

ってことを日々繰り返しています

おともだちに貸してあげてねーっていうと

「わかったよー」とは口ではいうけど実行できず笑

少しずつこどもの成長を見守る日々です

さて、今回紹介させていただく本は『感情と看護』です。

看護師業=感情労働、まさにそうですよね

ぼくは普段は手術室で働いているので病棟のナースに比べれば患者さんとのかかわりは少ないです。

その一方でその分手術での関わりで当然医師とのコミュニケーションは病棟よりはかなり多くなります。

あとは、うちだけかもですがオペ室ナースは個性的なキャラクターが多く、しかも個人主義な傾向があるので手術の予定を見て誰が一緒にするか確認するかが結構大事だったりします。

医師も病棟では温厚だけど手術室ではすごく横柄な態度をとる人も中にはいます。(ほんとにごく一部ですが)

そういうのを目の当たりにすると果たしてチーム医療とはなんだろうとか考えてしまいます。

そんな話はさておき

この本では主に対患者を通してナースが抱えるそして生まれる感情についての話がまとめられています。

ナースの多くはそうだと思うのですが、どうしても傾向として患者さんの期待・要望には極力応えてあげたい、という気持ちは強いのではないかと思います。

ぼくも自分が聖人君子であるなんてことは決してありませんが、

やっぱりどうしても患者さんのことで困ったことがあれば、

とりあえず聴こうという姿勢は強いです。

真面目で経験が浅いナースほど患者さんの無理難題に応えようとして負の感情を抑えて抑えて、自分ではないナースという仮面を身に付けた自分を演じ続けることで、ついには感情が麻痺してしまうことが往々にあるんですよね。

患者さんについて良くも悪くも感情を吐き出せる人ならいいですが、

自分の患者さんに対する負の感情を自覚はしつつも

それを言葉に発することに抵抗があることで

口に出すこと自体に自己嫌悪を感じる人もいるんですよね。

ひとつの解決策としては負の感情を吐き出す環境があるかどうか、ということです。

話を聞いてくれる同期・先輩がいるか(主任、師長も含め)が重要だなと感じます。

本中にもありましたが、

看護師が人間として大事にされなければ患者を人間として大事にできない

ほんとにそうだな、と心に刻んで日々の仕事を務めようと思いました。

つくづくナースって大変な仕事だなー、思う今日この頃です。

 

この本でビビッときた文章

・マスメディアの世界で紹介される看護師像は、あいも変わらず、人間の生と死のドラマの真っ只中で、苛酷な労働条件に耐え、献身的に働くしっかりものの看護師か、失敗ばかりしながらも、いつも明るくめげない看護師、ちょっとおっちょこちょいだけれどどこか憎めない看護師たちばかりです。(p9

・私自身、どれほど知らず知らずのうちに神経を張り詰めていたのか、現場を離れて初めて気がつきました。それが現場から離れたとたん寝つきが良くなったので、仕事のせいだったのだとわかったのです。(p 24

・看護師が人間として大事にされなければ、患者を人間として大事にすることはできません。「看護らしい仕事」や「本当の看護」ができなくなるのです。(p 28

・「患者からの感情的なメッセージを個人的に受け取ってはいけない」というのは看護における重要な感情規則のひとつです。そのため、多くの看護師が仕事場での「看護師としての自分」と私生活での「個人としての自分」を分けるという対処法と用いています。(p 60

・看護という仕事は、医師と違って疾患を相手にしているわけではありません。まさに「病いを体験している人間」を相手にしているのです。(p 114

・患者とかかわるなかで、看護師が陥りやすい落とし穴に、「患者とは良い関係でなければならない」というこだわりがあります。(p 134

・患者がさまざまな感情をぶつけてくるのは、どうしようもないことなのです。ウィニコットは、治療者の役割は、患者に対して愛情をもつように努力するのではなく、患者の愛や憎しみの対象になることなのだと述べています。そうした感情の対象になりながらも、生き残ることが仕事なのだというのです。(p 135

・看護における人間関係への関心の低下は、看護師自身の人間的側面への無視をもたらします。看護師は単なる医療の技術労働者と見なされ、感情労働者としての側面がますます省みられなくなってしまうのです。(p 257

・感情を押し殺して働いているうちに、どこかに見失ってしまった「本当の自分」を捜し求めている看護師は大勢います。けれども、問題は看護師みずから自分たちの本当の姿を受け入れる努力をすれば解決するというものではありません。こころの傷を生き延びるには、自分が意味ある存在であると感じられること、つながりが実感できることが、必要なのです。(p 264

今日からできる小さなステップ

スタッフの最近仕事で困ったエピソードをそれとなく聞いてみる

1行まとめ

看護師が人間として大事にされなければ、患者を人間として大事にすることはできない

 

ABOUT ME
パパdeナース@オペ室
2013年入職よりずっとオペ室で看護師してます。メンズナースです。男の子の親でもあります。主に仕事や育児についての読書ブログ書いてます。
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