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書評021冊『安楽死を遂げるまで』宮下洋一(2017) 

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人生100年時代ともいわれる現在で「よりよく生きる」とはどのようなことなのか。その一つに日本ではあまり馴染みのない安楽死というテーマを海外の実例を通して別の視点から「生と死」を見つめ直す、劇薬の書である。

こんな人に読んでほしい

・安楽死とはなんか怪しい団体がしてるんではないのー、と思っている人

・森鴎外の『高瀬舟』を読んで安楽死について関心をもったことがある人

・『ブラック・ジャック』に登場するDrキリコをどうしても嫌いになれない人

本の紹介文 

こんにちは、パパdeナースです。

オペ室看護師です、今年で8年目です。また、1児のパパでもあります。(3歳♂)

読書が趣味です。

30歳を超えてきてただ漫然に本を読んでいてもあまりにも頭に残らなくて、それがあまりに悲しいので、少しでも感じたことを心に留めたいとブログに書くようになりました。

また、看護師でもあるので少しでも自分の知識や経験を生かした情報が発信していきたいです。

あと、子育て中でもあるので子どもの気になったことについて発信もできたらなと。

この書評ブログを読んでもらって1㍉でもためになるものを書いていきたいです。

今回のテーマは、ずばり「安楽死」です。

みなさんは、「安楽死」についてどのような印象をお持ちでしょうか。

そもそも、安楽死とはなんなんでしょう。

安楽死とは簡単に言えば自然な死を迎える前に、医師の手を借りて死期を早める行為のことである(本文)と書かれています。

海外の国ではオランダやスイス、ベルギー、あとアメリカでも州によっては合法化されています。

国や地域によって安楽死についての名称や承認されるまでのプロセスの違いがあります。

安楽死という言葉も国によっては自殺ほう助や積極的安楽死、尊厳死とありますが、このブログでは安楽死で統一します。

とくに安楽死の多いオランダでは6,000人ほどの方が安楽死を行なっているそうです。(人口の約3%)[2016年]

本を読んで感じたのは、安楽死を希望する人たちはとしての自分の意志を貫く人が多い印象を受けました。

自分は自分の人生を生きるのだ。他人に委ねる余地はないのだ、という強い意思表示が見て取れました。

これは多少なりとも国民性があるのではないかと思いました。

日本でやったら、自分勝手だ、とバッシングされ炎上必至です。

新型コロナウイルスの件を受けてその意識が改めて鮮明になったと感じました。

日本ではそもそもいい悪いにかかわらず、その前にマスコミや世間による外圧により議論が進まないことが多いです。

コロナの件も同様でみんな新型コロナウイルスを恐れるというよりそれを自粛している人から咎められたりすることに心血を注いでいる有様です。

で、その自粛が緩和したらみんな、他人の顔色を伺うことをしなくていいので安心して遊びに出かけるという構図でした。

世間を気にしすぎる国民性はこの安楽死についても同様であると思います。

ぼくも決して例外ではありません。

著者も言っていましたが、おそらく日本では、安楽死が認めらることは当分ないでしょう。

日本人は個としての自由よりも集団としての個に重きを置いている民族だからです。

勝手に死ぬことは許されるはずがありません。

ただ、これが人生100年時代だとどうなるでしょうか。

安楽死の定義も先ほど述べたとおりで国ごとに変わりますが、

おおよそ余命が短く、治る見込みがない、我慢できない身体的・精神的苦痛が伴う

という条件があります。

正直、ぼくなんかは痛みにめちゃ弱いので、余命がそんなにないなら安楽死も一つの手段なのではないかと考えます。

本書の中で紹介された人のひとりは自分が死ぬ日にパーティを行い、家族や親しい友人とお別れ会を開くことをしていました。

斬新すぎました。

とても潔さを感じました。

この潔さは日本の切腹の文化や特攻隊のイメージと重なりました。

もし、日本で安楽死の法整備が仮に整ったら、意外と日本のカルチャーに溶け込むのではないでしょうか。

これは少し言い過ぎでしょうか。

ただ、やはり安楽死のどうしても死を医師が促すようなニュアンスが消せないのがこの問題点であり、仕方がないと感じます。

安楽死を選んだ人の生きることができた時間をどのように捉えるか。

これは、看護師間で行う倫理的な問題として議論をするテーマとしてはあまり現実的ではありません。

しかし、実際に世界ではこのような流れが少しづつ着実に進んでいることを理解しておくべきでしょう。

もうぼくらは「死ねない時代」を生きているのですから。

 

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この本でビビッときた文章

・それでも自殺幇助を選ぶ人たちがこの国(オランダ)にいるのはなぜか。これは私の見方だが、「自らの死を他人に頼らない」という個人の生き様が関わっているのではないか。最後まで、自分が自分の人生の責任を持って死ぬということだ。(p75)

・私は、安楽死を選ぶ人々の共通点と、その因果関係が気になり出してもいた。彼らには子供がいないことが多い。つまり子供がいたら、安楽死を選ばない可能性がある。人間は血を分けた家族の感情や意見を尊重する傾向があるということなのか。欧米諸国では個人の死ぬ権利が強調されるが、安楽死を選ぶ背景に、人権とは別の側面が見えてくる。(p82)

・「おととい施行されたばかりの尊厳死法ですが、その内容は、『死ぬための医療援助』です。反対派は、『自殺を介助しているに過ぎない』とか、『安楽死と変わらない』と言いたてます。でも、自殺をする人は、死にたい人に過ぎません。ブリタニーは、生きたかったけれど病気(脳腫瘍)をコントロールできなかったです。自殺をする人というのは、鬱病であったり、悲運なトラブルから死を選んだりします。ブリタニーは、そんな人間ではなかった」(p178)

・「安楽死の何が怖いかって、1%の生存率でも末期症状を運よく乗り越え、後に元気になってしまうこと。安楽死を選択する際の一番の不安はそこにある」(p190)

・ウィリアムは私に「そのような医師には、安楽死の取材をしているというのではなく、「End of Life Option」(人生終結の選択)の取材という表現を使おう」と、前もって口裏合わせをしてきた。安楽死という言葉への拒絶がこの国(アメリカ)では深いことを、私は改めて思い知らされた。(p191)

・著名な大学病院で明らかになった安楽死を巡る大事件にもかかわらず、個人の犯行という扱いのまま、議論は終始した。それを組織防衛と言うなら、そうかもしれない。背景には、日本特有の、集団を守り、個を置き去りにする文化が関わっている気がした。(p300)

・〈人に迷惑をかける前に死にたいと思ったら、安楽死しかありません〉

日本社会で生き抜く上で切り離せない道徳的観念なのだろう。けれど、死への動機に「迷惑をかけないために」と語るのは、欧州で長く生活した私からすれば、異質である。(p333)

・集団に執着する日本には、日常の息苦しさはあるが、一方で温もりがある。生かされて、生きる。そう、私は一人ではなかった。周りの支えがあって、生かされている。だから生き抜きたいのだ。長年、見つけられなかった「何か」が私の心に宿り始めた。この国で安楽死は必要ない。そう思わずにいられなかった。(p345)

・家族意識の減退は、死へのハードルを低くするに違いない。周囲のサポートがあれば、つまり守ってくれる人がいれば、「耐え難い痛み」を軽減できることを取材では学んできた。個が死に方を主張するのではなく、周囲と共にどう生きるべきかを考える社会にするほうが健全ではないだろうか。(p346)

今日からできる小さなステップ

・家族、とくに親の老後についての話を聞く。

・安楽死についてあんまり深入りしない。(あえて)

1行まとめ

よりよい死を考えると結局それは生を語ることと同義なのである。

今日の息子くん

最近は絵本を読むのが大好きで仕事に行く前30分、帰宅後30分の苦行をしています、パパdeナースです。

3歳で体重もそこそこあるため、膝にのせて絵本を読ますと5分くらいで両足がしびれてきます。

他のパパやママはどうやって絵本を読ませているのかな。

限界です。

島田ゆかさんの『バムとケロ』シリーズがとても好きで好きでいつもケロちゃん(カエル)がおふろでおならをするところで爆笑しています。

意味がわかりません。

さっぱりです。

うちの子はうんち、おなら、おしっこでだいたい爆笑。

単純です。

そのかわりと言ってはなんですが、好きな絵本は全部暗唱できるようになってきました。

すごいぜ、3歳児!!

親としては少しでもアホなうちの3歳児の興味が湧くような絵本を探す努力を今後もしていこうと心に決めました。

 

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ABOUT ME
パパdeナース@オペ室
2013年入職よりずっとオペ室で看護師してます。メンズナースです。男の子の親でもあります。主に仕事や育児についての読書ブログ書いてます。
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