こんにちは、パパでナースです。
今回は【脊髄くも膜下麻酔】についてお話していきます。
手術の成功は麻酔の選択から始まります。
短時間の手術に最適な脊髄くも膜下麻酔は、手技が容易で効果が速やかに現れるため、医療現場で重宝されています。
しかし、血圧低下等の合併症リスクも無視できません。
本記事では、脊髄くも膜下麻酔の適応範囲、禁忌症状、そして注意点について詳細に解説します。
これを機に、より安全かつ効果的な麻酔選択の一助として頂ければ幸いです。
Contents
脊髄くも膜下麻酔とは
脊髄くも膜下麻酔は、手術時に腰椎のくも膜下腔に麻酔薬を投与する方法です。
術前の解剖学的理解と注意深い手技が重要で、短時間で効果が現れるため、下腹部以下の短時間の手術に適しています。
ただし、血圧低下等の合併症リスクも存在します。
特に重要なポイント:
脊髄くも膜下麻酔は、手技が容易で短時間の手術に適しています。
麻酔薬は脊髄神経根を遮断し、感覚や運動機能を一時的に失わせます。
血圧低下や徐脈などの合併症が起こりやすいため、注意が必要です。
適応は主に下腹部以下の手術です。
適応、絶対禁忌、相対禁忌について
脊髄くも膜下麻酔は、下腹部以下の短時間(約2時間)手術に適しています。
適応範囲は下肢、婦人科(帝王切開含む)、鼠径部、肛門・外陰部の手術です。
一方、絶対禁忌としては、高度のショック状態、出血傾向、重症心不全、穿刺部の感染、頭蓋内圧亢進があります。
また、脊柱の高度な変形、高度肥満、長時間手術の可能性は相対禁忌とされています。
重要なポイント:
脊髄くも膜下麻酔の適応は下腹部以下の約2時間までの手術。
絶対禁忌には高度のショック状態、出血傾向、重症心不全、穿刺部の感染、頭蓋内圧亢進が含まれる。
相対禁忌として脊柱の高度な変形、高度肥満、長時間手術の可能性がある。
Q&A
Q1: 脊髄くも膜下麻酔はどのような手術に適していますか?
A1: 脊髄くも膜下麻酔は、下腹部以下の手術、具体的には下肢手術、婦人科手術(帝王切開含む)、鼠径部の手術、肛門・外陰部の手術に適しています。
ただし、手術時間が約2時間までの手術が最も適しています。
Q2: 脊髄くも膜下麻酔の絶対禁忌とは何ですか?
A2: 絶対禁忌とは、麻酔を施すべきでない状態を指します。脊髄くも膜下麻酔の場合、高度のショック状態、出血傾向、重症心不全、穿刺部の感染、頭蓋内圧亢進患者などが該当します。
Q3: 脊髄くも膜下麻酔の相対禁忌とは何ですか?
A3: 相対禁忌とは、麻酔が可能ではあるが、リスクが高まる可能性がある状態を指します。
脊髄くも膜下麻酔の場合、脊柱の高度の変形、高度肥満、長時間手術の可能性が該当します。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
医療従事者として、患者の安全と手術の成功を最優先に考えることは当然のことです。
脊髄くも膜下麻酔はその適応範囲や禁忌症状を理解した上で適切に選択・施行すれば、その価値を存分に発揮します。
一方で、その可能性とリスクを常にバランス良く見極めることが、我々の責任でもあります。
本記事を通じて、脊髄くも膜下麻酔の理解が深まり、より安全で効果的な麻酔選択につながることを心より願っています。
引用文献
周術期管理チームテキスト第4版