こんにちは、パパでナースです。
今回は【回復室からの退室許可基準】についてお話していきます。
患者の安全を最優先に考え、麻酔後の回復室からの退室許可基準について明記していきます。
意識、呼吸、循環、痛みや悪心・嘔吐の状態、体温、局所麻酔など、危険な基準をこれにより、患者の状態が安定しており、一般病棟での観察が可能であることを確認します。
患者の安全を確保しながら、より効率的な医療の提供を目指しています。
回復室からの退室許可基準(対象:成人全身麻酔.硬膜外麻酔.脊髓くも膜下麻酔)
回復室を退室した患者は一般病棟に帰室する。一般病棟では患者の状態を観察する頻度が減少する。
あるいは患者監視装置の使用が制限されることもある。
このような環境でも「患者が安全である」と判断できれば回復室からの退室を許可する。
退室許可基準は施設内で統一し.その基準を満たした旨を診療録に記載する。
回復室からの退室許可基準を以下のように示します。
退室許可基準
A)意識
1 .刺激をしないでも覚醒している.
2 .簡単な命令に従うことができる.
B)呼吸
1 .抜管されている.
2 .気道閉塞がない.
3 .気道反射が保たれている.
4 .動脈血酸素飽和度90%以上
(96%以上では酸素投与不要)
5 .呼吸数8〜25回/分
C)循環
1 .心拍数60〜100/分
2 .不整脈なし
3 .血圧が術前値の土20%以内
4 .出血なし
D)痛みと悪心•嘔吐
1 .痛みが許容できる.(鎮痛薬を希望しない)
2 .悪心•嘔吐が許容できる.
E)低体温とシバリング
1 .36.0℃以上
2.シバリングなし
F)区域麻酔
1.麻酔域(運動および感覚)が許容範囲である.
2.最後に局所麻酔薬を投与してから30分以上経過している.
その他:退室許可基準の対象にならない症例
1 .局所麻酔症例
合併症なく終了した局所麻酔症例は,術後回復室に滞在する必要はなく.この基準の対象としない.
しかし.局所麻酔薬中毒や,神経ブロックに鎖静(セデーション)を併用した症例では,この基準を用いてもよい.
2 .小児症例
新生児から年長児まで同一の基準で判断することは困難である.
症例ごとに麻酔科医が退室を判断する必要がある.
3 .ICUに収容する症例
人工心肺を用いた心臓外科症例.脳外科手術症例など.手術室で抜管せず.術後にICUで呼吸管理を継続する症例は,回復室に入室する必要がないため対象としない.
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回のこの基準が絶対ではありません。
しかし、1つの目安として活用していくことで患者さんがよりよい状態で回復室から退室でき、病棟での術後ケアが始められます。
麻酔科医の言われたことを鵜呑みにせずに的確に患者の状態をアセスメントができるオペナースになれることを願っています。
引用文献
周術期管理チームテキスト第4版