問題:妊娠末期の生理•解剖学特徴で正しいのはどれか。(2022 b15)
(1)凝固亢進状態となる。
(2)機能的残気量は減少する。
(3)生理的脊椎弯曲は増強する。
(4)揮発性吸入麻酔薬の感受性は低下する。
(5)子宮胎盤系の血流調節には自動調節能がない。
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5)
d (2), (3). (4) e (3), (4), (5)
解答
b
解説
(1)◯ 妊娠経過に伴ってフィブリノゲンや第VII因子などの凝固因子は著増し,一方,線溶系低下は軽度なの で妊婦は凝固亢進状態となっている
(2)◯ 妊娠子宮によって横隔膜は頭側に押し上げられる ため、機能的残気量は約20%減少している.
酸素消費量が増加しているにもかかわらず機能的残気量が減少し,末梢気道も早期に閉塞するため、妊婦では 肺胞低換気や無呼吸になった場合,急速に低酸素に陥りやすい.
(3)× 子宮の拡大により生理的脊椎弯曲が減少している.
(4)× 妊婦ではプロゲステロンや分娩時のエンドルフィ ンによる鎖痛作用によって、揮発性吸入麻酔薬の感受性が亢進する.
(5)◯ 子宮胎盤系の血流調節には自動調節能がないため、母体の血圧が低ければ低いほど、子宮胎盤血流が低下し、胎児徐脈を引き起こす.
(p.447)
【基礎疾患を有する患者の評価】妊婦の術前評価
引用文献
周術期管理チームテキスト第4版
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